土と

上野焼とは|特徴・器の種類・窯元

情報の確認日 2026年9月15日編集部

上野焼(あがのやき)は福岡県田川郡福智町の陶器で、1983年4月27日に国の伝統的工芸品に指定されました[1]。1602年に細川忠興が陶工の尊楷を招いて窯を築いたのが始まりとされ、茶陶として発展した薄手の器と多彩な釉薬が特徴です[1][2]。器の使用条件は製品ごとに確認します。

上野焼の基本情報と、産地全体に広げてはいけない点(2026年9月15日に伝統工芸 青山スクエア・福智町・上野焼協同組合・アクロス福岡の公式ページで確認)
くらべる点特徴例外・製品による違い根拠
産地福岡県田川郡福智町窯元の数は、組合の構成が9窯元、町の窯元案内マップが27件、町の紹介文が20以上で、数え方が異なる[1][4][7][8]
国の指定1983年4月27日に伝統的工芸品に指定組合と町のページは「昭和58年」とだけ記載[1][2][6]
始まり1602年に豊前小倉藩主の細川忠興が李朝陶工の尊楷を招き、上野に窯を築いた町は最初の窯を釜の口窯と記載[1][2][6]
器の厚み茶陶として発展したため薄手の器が多く、極めて軽く薄づくりと説明されている町は日用品も数多く作られていると説明。大皿・大鉢を得意とする窯元もあり、厚みは製品で異なる[1][2][6][11]
釉薬使う釉薬の種類の多さが特徴。絵付けは少なく、釉掛けが中心指定の釉薬は長石釉・藁灰釉・土灰釉・銅釉・飴釉・黄釉・黒釉・紫蘇釉。一つの器の釉は製品ごとに異なる[1][2]
原料使用する陶土は上野陶土と定められている個々の製品の土の配合は未確認[1]
使用条件電子レンジ・食洗機の可否を産地全体として示した記載は、確認した資料になかった薄手か厚手か、釉の種類で扱いが変わるため、製品表示と窯元の案内で判断確認した資料:[1][2]

このページで確認できること

  • 上野焼の産地と、薄づくり・釉薬の種類の多さという特徴と例外
  • 1602年の開窯から藩窯、明治の再興、伝統的工芸品の指定までの年表
  • 営業時間を公式に確認した窯元6軒と上野焼陶芸館、春の陶器まつり・秋の窯開き

上野焼はどこの焼き物?

福岡県田川郡福智町の上野地区などで作られる陶器で、読み方は「あがのやき」です[1][7]。産地組合の上野焼協同組合は福智町上野にあります[1]

伝統工芸 青山スクエアの産地情報は、上野焼の産地を福岡県田川郡福智町としています[1]。産地組合は上野焼協同組合で、所在地は福智町上野2811です[1]。同じ所在地に、組合の上野焼陶芸館があります[5]

福智町は、現在20以上の窯元が上野地区などに点在していると紹介しています[7]。町の窯元案内マップには27件の窯元が載っています[8]。一方、上野焼協同組合は9つの窯元で構成されていると説明しています[4]。組合に入っている窯元と、町が紹介する窯元の範囲は同じではありません。

アクロス福岡は、陶土と清流、燃料の松が豊富な福智山の麓の上野の地に開窯したと説明しています[10]。町は、格式ある茶陶である一方、日用品も数多く作られていると紹介しています[6]

上野焼の特徴は?薄づくりと釉薬の種類

茶陶として発展したため薄手の器が多く、使う釉薬の種類の多さが特徴とされます[1][2]。絵付けは少なく、釉の流れ方や肌合い、艶、窯変を楽しむ陶器と説明されています[1]

上野焼協同組合は、茶陶として発展した上野焼が極めて軽く、薄づくりであるという特徴を持つと説明しています[2]。アクロス福岡も、重くないが軽すぎない程よい重量と質感を特徴に挙げています[10]。伝統工芸 青山スクエアは、茶陶として発展したため薄手の美陶が多いとしています[1]

釉薬について、組合は使う釉薬の種類が他に類を見ないほど多いことを特徴の一つとしています[2]。伝統工芸 青山スクエアは、絵付けは少なく、釉薬の流れ方、肌合、艶、窯変などを楽しめる陶器と説明しています[1]。アクロス福岡は、代表的な釉として緑青流しを挙げています[10]

伝統的工芸品として定められた技法では、釉薬に長石釉、藁灰釉、土灰釉、銅釉、飴釉、黄釉、黒釉、紫蘇釉が挙げられています[1]。天郷窯は、上野焼の釉薬には緑や赤や白など色々な種類があると紹介しています[16]

薄手が多いという説明は、すべての製品が薄いという意味ではありません。庚申窯は大皿や大鉢をろくろで作るのが得意と紹介され、青柳不老園は湯のみや茶碗などの日用の器を作っています[11][15]。器の厚みや重さは製品ごとに確かめます。

上野焼の伝統的工芸品としての技術・原材料(伝統工芸 青山スクエアによる。2026年9月15日確認)
項目定められた内容製品を見るときの注意根拠
成形ろくろ成形、たたき成形、たたら成形、手ひねり成形、押型成形どの方法で作られたかは製品説明で確認[1]
釉掛け浸し掛け、杓掛け、重ね掛け重ね掛けの器は釉の境目や流れ方に個体差がある[1]
釉薬長石釉、藁灰釉、土灰釉、銅釉、飴釉、黄釉、黒釉、紫蘇釉緑青流しなど呼び名は窯元や販売の表記で異なる場合がある[1][10]
陶土上野陶土製品ごとの土の配合は未確認[1]
加飾絵付けは少なく、釉薬掛けが中心絵付けのある製品もありうるため個別に確認[1]

上野焼の歴史は、いつ始まりどう続いてきた?

1602年に細川忠興が尊楷を招いて上野に窯を築き、細川家・小笠原家の藩窯として続きました[1][6]。明治35年に再興され、1983年に伝統的工芸品に指定されています[2][1]

上野焼協同組合によると、豊前小倉藩主の細川忠興は1602年に李朝陶工の尊楷を招き、陶土と水質に恵まれた上野の地に窯を築きました[2]。伝統工芸 青山スクエアは、千利休に茶道を学んだ忠興の目にかなう格調高い作品が作られたと説明しています[1]

福智町は、最初の窯を釜の口窯とし、以降は細川家・小笠原家の歴代藩主が愛用した藩窯として栄えたと紹介しています[6]。細川家から小笠原家へ藩主が替わった時期と、そのとき陶工がどう動いたかは、今回開いたページでは確認できていません。

江戸時代には、小堀遠州が茶道具を作るために全国7か所の窯元を選んだ遠州七窯の一つに数えられています[1][2]。組合によると、上野焼は明治35年(1902年)に田川郡の補助を受けて再興されました[2]

現在の窯元には、組合の紹介で開窯年が1941年の青柳不老園、1964年に復興した渡窯、1971年の庚申窯、1996年創業の昇龍窯などがあります[11][12][14][15]。1983年4月27日に国の伝統的工芸品に指定されました[1]

上野焼の年表(伝統工芸 青山スクエア・上野焼協同組合・福智町の説明による)
出来事根拠
1602年(慶長7年)細川忠興が尊楷を招き、上野に窯を築く(釜の口窯)[1][2][6]
江戸時代細川家・小笠原家の藩窯として続く[6]
江戸時代小堀遠州が選んだ遠州七窯の一つに数えられる[1][2]
1902年(明治35年)田川郡の補助を受けて再興される[2]
1964年渡窯が復興(組合の窯元紹介による)[12]
1983年4月27日国の伝統的工芸品に指定される[1]

上野焼の窯元・施設はどこで確認できる?

上野焼協同組合の窯元紹介で、営業時間と直接購入の可否を確認できた6軒と、上野焼陶芸館を載せました。多くの窯元は不定休のため、訪問前の連絡が必要です[11][15]

組合の窯元紹介ページには、窯元ごとに所在地、営業時間、休日、直接購入と見学体験の有無が書かれています[11][12][13]。確認した6軒はいずれも直接購入が「有」で、休日は不定休でした[11][12][13][14][15][16]。見学体験は、庚申窯・渡窯・昇龍窯が不定期で要予約、天郷窯と青柳不老園は「無」です。

上野焼陶芸館は、組合の案内では10時から17時(12月から2月は16時まで)、火曜休館です[5]。福智町のページは営業時間を10時から16時と書いており、閉館時刻が一致しません[9]。福岡県の観光サイトは、ろくろ作陶体験を陶芸館または各窯元で3,000円と案内しています[17]

町の窯元案内マップには、組合に加わっていない窯元も含めて27件が載っています[8]。表の住所は町までにとどめ、組合の9窯元のうち守窯・光修窯・梶原窯は営業時間を確認していないため最後の行にまとめました。

上野焼の窯元・施設(2026年9月15日に上野焼協同組合の窯元紹介・福智町・福岡県観光連盟のページで確認)
名称・場所見られる・買えるもの訪問のしかた公式
上野焼陶芸館(上野焼協同組合) 福智町組合の展示・販売施設 上野焼の作品の展示・販売[9]。ろくろ作陶体験(3,000円)[17]組合は10時〜17時(12〜2月は16時まで)、町は10時〜16時と記載。火曜休館[5][9]
庚申窯 福智町窯元(1971年開窯) 大皿・大鉢のろくろ作品[11]10時〜17時30分、不定休。直接購入有、見学体験は不定期で要予約[11]
渡窯 福智町窯元(1964年復興) 製品は未確認[12]9時30分〜17時30分、不定休。直接購入有、見学体験は不定期で要予約[12]
十時窯 福智町窯元 手作りの陶器[13]10時〜17時、不定休。直接購入有。見学体験は未確認。駐車場有[13]
昇龍窯 福智町窯元(1996年創業) 日常使いを意識した器[14]9時30分〜17時30分、不定休。直接購入有、見学体験は不定期で要予約[14]
天郷窯 福智町窯元(1977年開窯) 多様な釉薬の作品[16]10時〜17時、不定休。直接購入有、見学体験無。駐車場有[16]
青柳不老園 福智町窯元(1941年開窯) 湯のみ、茶碗などの日用の器[15]10時〜17時、不定休。直接購入有、見学体験無[15]
守窯、光修窯、梶原窯 福智町窯元(組合の構成窯元) 未確認[4]未確認

上野焼の陶器市と、産地を訪ねる機会はいつある?

上野焼協同組合は春に陶器まつり、秋に窯開きを開いています。2026年は春が4月24日〜26日、秋が10月23日〜25日と案内されています[19][18]

組合のサイトは、第52回上野焼 春の陶器まつりを2026年4月24日から26日まで、上野の里ふれあい交流会館(陶芸館)で開くと案内していました[19]。福岡県の観光サイトは、2026年の上野焼 秋の窯開きを10月23日から25日まで、入場無料と案内しています[18]

秋の窯開きの時間と回数、2027年の日程は、陶器市のページで確認状況をまとめています。催事以外の時期は、陶芸館と、直接購入ができると書かれた窯元を訪ねることができます[5][11]。窯元は不定休が多いため、電話で営業を確かめてから向かってください[12][14]

上野焼の器の手入れや電子レンジの可否は、どう判断する?

薄手の器が多く、釉薬の種類も多いため、産地名ではなく製品の表示と窯元の案内で判断します。今回確認した組合・窯元のページに、産地全体の可否の記載はありませんでした。

上野焼は薄づくりと多彩な釉薬が特徴とされますが、日用品や大皿・大鉢も作られています[2][6][11]。器の厚みも釉の種類も製品ごとに違うため、「上野焼だから電子レンジで使える」「使えない」とは言えません。

組合の窯元紹介ページには、営業時間や購入の可否は書かれていますが、電子レンジや食洗機の可否、使い始めの処理の記載は見つかりませんでした[11][13][15]。購入時に窯元へ尋ねるか、付属の案内を確認してください。陶器の電子レンジと使い始めの判断方法は、手入れのページで説明しています。

よくある質問

上野焼の読み方は?
「あがのやき」です[1]。福岡県福智町の上野(あがの)地区などで作られています[7]
上野焼は国の伝統的工芸品ですか?
1983年4月27日に経済産業大臣指定の伝統的工芸品に指定されています[1]
上野焼の特徴は何ですか?
茶陶として発展したため薄手の器が多く、使う釉薬の種類が多いことが特徴とされます[1][2]。ただし日用品や大皿も作られており、製品で異なります[6][11]
上野焼の窯元はいくつありますか?
上野焼協同組合は9窯元で構成されています[4]。福智町の窯元案内マップには27件が載っており、町は20以上の窯元が点在すると紹介しています[7][8]

出典

  1. 1
    上野焼伝統工芸 青山スクエア(伝統的工芸品産業振興協会)・2026年9月15日確認
  2. 2
    上野焼とは上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  3. 3
    上野焼協同組合公式サイト上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  4. 4
    窯元紹介上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  5. 5
    アクセス上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  6. 6
    国指定伝統的工芸品「上野焼」福智町・2026年9月15日確認
  7. 7
    上野焼福智町・2026年9月15日確認
  8. 8
    窯元案内マップ福智町・2026年9月15日確認
  9. 9
    上野焼陶芸館福智町・2026年9月15日確認
  10. 10
    上野焼 あがのやき 陶磁器公益財団法人アクロス福岡・2026年9月15日確認
  11. 11
    庚申窯上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  12. 12
    渡窯上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  13. 13
    十時窯上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  14. 14
    昇龍窯上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  15. 15
    青柳不老園上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  16. 16
    天郷窯上野焼協同組合・2026年9月15日確認
  17. 17
    上野焼 窯元紹介福岡県観光連盟(クロスロードふくおか)・2026年9月15日確認
  18. 18
    上野焼 秋の窯開き福岡県観光連盟(クロスロードふくおか)・2026年9月15日確認
  19. 19
    上野焼 春の陶器まつり2026上野焼協同組合・2026年9月15日確認

確認できていないこと

  • 上野焼陶芸館の営業時間:組合は10:00〜17:00(12月〜2月は16:00まで)、福智町は10時〜16時と記載。
  • 窯元の数:組合の構成は9窯元、福智町の窯元案内マップは27件、町の紹介文は20以上、アクロス福岡は20軒を超える、福岡県観光サイトは約20と、それぞれ異なる。
  • 守窯・光修窯・梶原窯の営業時間・製品は未確認。組合外の窯元(町のマップ掲載)の訪問条件も未確認。
  • 電子レンジ・食洗機・使い始めの処理について、窯元公式の案内を確認できなかった。

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