焼き物の産地一覧|全国38産地の特徴と窯元
情報の確認日 2026年9月16日編集部
この一覧には、産地固有の説明と、窯元・施設などの実例を確認できた38産地を載せています。地方別に、主な市町村と特徴のひとことを並べました。日本六古窯は越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前の6産地です[1][2]。電子レンジなどの可否は産地名では決まりません。
| 地方 | 掲載産地数 | 掲載している産地 |
|---|---|---|
| 北海道・東北 | 3 | 会津本郷焼・大堀相馬焼・平清水焼 |
| 関東 | 2 | 笠間焼・益子焼 |
| 中部 | 8 | 無名異焼・越前焼・九谷焼・美濃焼・瀬戸焼・常滑焼・萬古焼・伊賀焼 |
| 近畿 | 7 | 信楽焼・膳所焼・京焼/清水焼・古曽部焼・丹波焼・出石焼・赤膚焼 |
| 中国・四国 | 5 | 備前焼・石見焼・萩焼・大谷焼・砥部焼 |
| 九州・沖縄 | 13 | 上野焼・小石原焼・高取焼・有田焼・伊万里焼・唐津焼・肥前吉田焼・波佐見焼・三川内焼・小代焼・小鹿田焼・薩摩焼・やちむん |
| 合計 | 38 | ― |
このページで確認できること
- どの都道府県にどの産地があるか
- 各産地の特徴が、どの資料でどう説明されているか
- 国の指定の種類が産地によって違うこと
この一覧にはどの産地を載せていますか
産地固有の説明と、窯元・施設などの実例をこの作業中に確認できた38産地だけを載せています[1]。
掲載の基準は2つです。1つは、その産地だけに当てはまる説明が、自治体・産地組合・美術館などの資料で確認できること。もう1つは、窯元や施設といった実例を確認できることです。どちらかが欠けた産地は、この一覧に載せていません。
そのため、この38産地は日本の焼き物の産地をすべて数えたものではありません。数えた日は2026年9月16日で、資料を開いて確認した範囲での件数です。今後、確認が取れた産地を追加する場合があります。
特徴の欄は、各産地ページで引用した資料の説明を短くしたものです。産地の呼び名の範囲や始まりの年は、資料によって書き方が違うことがあります。詳しい食い違いは各産地ページに書いています。
地方別の産地一覧
地方ごとに、産地名・主な市町村・特徴のひとこと・詳細ページを並べています。特徴は各産地ページの資料の説明を短くしたものです。
主な市町村の欄は、伝統的工芸品の製造地域や、産地組合・自治体が示す範囲をもとにしています。指定の製造地域が複数の市町村にまたがる産地は、代表的な市町村を挙げ、残りは各産地ページで確認できます。
北海道・東北の産地(3件)
福島県の大堀相馬焼は、2011年の原発事故で発祥地の大堀地区が帰還困難区域となり、避難指示は2023年3月に解除されました[6]。窯元は県内各地などで再開しています。
関東の産地(2件)
笠間焼と益子焼は、笠間で修業した大塚啓三郎が益子に窯を築いたという関係があり、2020年に日本遺産として一体で認定されています。両産地の違いは比較ページで扱っています。
中部の産地(8件)
新潟県の無名異焼は、2024年10月17日に「佐渡無名異焼」として国の伝統的工芸品に指定されました[5]。佐渡金銀山で採れる赤土を原料とし、成形から乾燥までに約3割縮みます[5]。
越前焼・瀬戸焼・常滑焼は、日本六古窯に数えられる産地です[1][2]。瀬戸焼は国の伝統的工芸品としては「赤津焼」と「瀬戸染付焼」の二つに分かれており、産地の呼び名と指定の名称が一致しません。
| 産地 | 主な市町村 | 特徴のひとこと | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 無名異焼 | 新潟県佐渡市 | 佐渡金銀山の赤土を原料とし、成形から乾燥までに約3割縮んで固く焼き締まります | ひらく |
| 越前焼 | 福井県越前町・福井市など | 六古窯の一つ。焼き締めや灰釉・鉄釉を中心とした素朴な肌合いが特徴とされます | ひらく |
| 九谷焼 | 石川県金沢市・小松市・加賀市・能美市 | 緑・黄・赤・紫・紺青の「九谷五彩」を使う上絵付けが特徴とされます | ひらく |
| 美濃焼 | 岐阜県多治見市・土岐市・瑞浪市など | 一つの様式ではなく、志野・黄瀬戸・織部など15種類が指定されています | ひらく |
| 瀬戸焼 | 愛知県瀬戸市 | 六古窯の一つ。国の指定は「赤津焼」と「瀬戸染付焼」の二つに分かれます | ひらく |
| 常滑焼 | 愛知県常滑市など | 六古窯の一つ。原料の鉄分を赤く発色させる朱泥の急須が代表的とされます | ひらく |
| 萬古焼 | 三重県四日市市・菰野町 | 土鍋・紫泥急須・食器で素材と製法が違い、加熱の可否も製品ごとに分かれます | ひらく |
| 伊賀焼 | 三重県伊賀市・名張市 | 窯変によるビードロや焦げが特徴とされ、土鍋も作られています | ひらく |
近畿の産地(7件)
大阪府の古曽部焼は、江戸時代後期から明治時代末にかけて高槻市古曽部町の五十嵐家4代が営んだ窯の焼き物です[7]。現在は寒川義崇さんが再興した義崇窯が高槻市川久保にあります[7]。
信楽焼と丹波焼も日本六古窯に数えられます[1][2]。丹波焼の国の指定名称は「丹波立杭焼」で、産地として呼ぶ名前とは異なります。
| 産地 | 主な市町村 | 特徴のひとこと | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 信楽焼 | 滋賀県甲賀市 | 六古窯の一つ。古琵琶湖層の土は耐火性があって粗く、大物や肉厚の製品に向きます | ひらく |
| 膳所焼 | 滋賀県大津市 | 膳所藩主の御用窯として出発し、茶入や水指などの茶器が中心です | ひらく |
| 京焼・清水焼 | 京都府京都市・宇治市など6市 | 色絵陶器も染付の磁器も含むため、器の性質は製品ごとに違います | ひらく |
| 古曽部焼 | 大阪府高槻市 | 江戸後期から明治末の五十嵐家4代の窯で、現在は義崇窯が再興しています | ひらく |
| 丹波焼 | 兵庫県丹波篠山市 | 六古窯の一つ。国の伝統的工芸品の名称は「丹波立杭焼」です | ひらく |
| 出石焼 | 兵庫県豊岡市 | 地元の白い陶石を主な原料とする白磁の産地です | ひらく |
| 赤膚焼 | 奈良県奈良市 | 奈良県は乳白色の柔らかい風合いと奈良絵文様を特徴に挙げています | ひらく |
中国・四国の産地(5件)
岡山県の備前焼は、釉薬も絵付けも使わず約1,200℃で2週間ほど焼き締める産地で、日本六古窯の一つです[1][2]。炎や灰でできる胡麻・桟切り・緋襷などの模様は窯変と呼ばれます。
九州・沖縄の産地(13件)
大分県の小鹿田焼は、国の重要無形文化財に1995年5月31日に指定されています[3]。地元産の原料と伝統的な用具を使う技法が指定の対象で、伝統的工芸品の指定とは制度が違います[3]。
福岡県の高取焼は、2024年3月26日に県知事指定特産工芸品になりました[4]。福岡県が経済産業大臣指定として挙げているのは小石原焼・上野焼などで、高取焼は含まれていません[4]。
| 産地 | 主な市町村 | 特徴のひとこと | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 上野焼 | 福岡県福智町 | 茶陶として発展した薄手の器と、多彩な釉薬が特徴とされます | ひらく |
| 小石原焼 | 福岡県東峰村 | 飛び鉋や刷毛目などの加飾に特徴があるとされます | ひらく |
| 高取焼 | 福岡県東峰村・福岡市など | 陶器でありながら薄さと軽さ、釉薬が特長とされます。国の指定ではありません | ひらく |
| 有田焼 | 佐賀県有田町 | 泉山で見つかった陶石が始まりとされる磁器の産地です | ひらく |
| 伊万里焼 | 佐賀県伊万里市 | 中心の大川内山は鍋島藩窯が置かれた地で、青磁や色鍋島が知られます | ひらく |
| 唐津焼 | 佐賀県唐津市・武雄市・伊万里市など8市町 | 絵唐津や斑唐津など、釉や加飾で呼び分ける種類があります | ひらく |
| 肥前吉田焼 | 佐賀県嬉野市 | 組合は飯碗・湯のみ・そば猪口・急須・土瓶を代表的な製品に挙げています | ひらく |
| 波佐見焼 | 長崎県波佐見町・川棚町・東彼杵町 | 白磁と呉須の染付が伝統的な特徴とされ、主な製品は和飲食器です | ひらく |
| 三川内焼 | 長崎県佐世保市 | 白磁に呉須の青で絵柄を付けた染付が特徴とされ、昭和53年2月6日に国の伝統的工芸品に指定されました[8] | ひらく |
| 小代焼 | 熊本県荒尾市・玉名市など小岱山麓 | 鉄分の多い小代粘土と、藁灰釉の流し掛けが特徴とされます | ひらく |
| 小鹿田焼 | 大分県日田市 | 地元産の原料と伝統的な用具を使う技法が特徴とされ、窯元は9軒です | ひらく |
| 薩摩焼 | 鹿児島県日置市・鹿児島市など | 朝鮮の陶工に始まり、種類の多さが特徴とされます | ひらく |
| やちむん(壺屋焼) | 沖縄県那覇市・読谷村・恩納村 | 釉薬をかける上焼と、かけない荒焼に分かれます | ひらく |
産地によって国の指定の種類は違いますか
違います。経済産業大臣指定の伝統的工芸品のほか、重要無形文化財、県知事指定、指定なしの産地があります[3][4]。
小鹿田焼は、1995年5月31日に国の重要無形文化財に指定されています[3]。これは技法そのものを保護する制度で、産地の産業を対象とする伝統的工芸品の指定とは枠組みが違います。小鹿田焼の里は2008年3月28日に重要文化的景観にも選定されています[3]。
高取焼は2024年3月26日に福岡県の知事指定特産工芸品になりましたが、経済産業大臣指定の伝統的工芸品ではありません[4]。産地の名前が広く知られていることと、国の指定があることは別です。
指定の年が新しい産地もあります。無名異焼は2024年10月17日に「佐渡無名異焼」として指定されました[5]。各産地の指定の有無と年は、それぞれの産地ページの表で確認できます。
産地名で電子レンジや食洗機の可否を判断できますか
判断できません。同じ産地でも窯元や製品で素材と仕上げが違うため、製品表示と作り手の指定で確かめます。
たとえば萬古焼には土鍋・紫泥急須・食器があり、素材と製法が違います。会津本郷焼のように、一つの製造元が陶器と磁器の両方を作る産地もあります。産地名は、可否を決める情報にはなりません。
手入れの方法も同じです。目止めが必要かどうかは器の種類ではなく作り手の指定で決まり、同じ産地の中でも案内が分かれます。具体的な確認の手順は、手入れの入口ページからたどれます。
よくある質問
- この一覧の37という数字は、日本の産地の総数ですか
- 総数ではありません。産地固有の説明と実例を2026年9月16日までに確認できた産地の件数です。確認できていない産地は載せていません。
- 伝統的工芸品に指定されていない産地も載っていますか
- 載せています。高取焼は2024年3月26日の福岡県知事指定特産工芸品で、経済産業大臣指定ではありません[4]。指定の有無は各産地ページに書いています。
このページから進めるページ(38件)
- 上野焼とは特徴・器の種類・窯元
- 会津本郷焼とは特徴・器の種類・窯元
- 赤膚焼とは特徴・器の種類・窯元
- 有田焼とは特徴・器の種類・窯元
- 萬古焼とは特徴・器の種類・窯元
- 備前焼とは特徴・器の種類・窯元
- 越前焼とは特徴・器の種類・窯元
- 萩焼とは特徴・器の種類・窯元
- 波佐見焼とは特徴・器の種類・窯元
- 平清水焼とは特徴・器の種類・窯元
- 肥前吉田焼とは特徴・器の種類・窯元
- 伊賀焼とは特徴・器の種類・窯元
- 伊万里焼とは特徴・器の種類・窯元
- 石見焼とは特徴・器の種類・窯元
- 出石焼とは特徴・器の種類・窯元
- 唐津焼とは特徴・器の種類・窯元
- 笠間焼とは特徴・器の種類・窯元
- 小石原焼とは特徴・器の種類・窯元
- 古曽部焼とは特徴・器の種類・窯元
- 九谷焼とは特徴・器の種類・窯元
- 京焼・清水焼とは特徴・器の種類・窯元
- 益子焼とは特徴・器の種類・窯元
- 三川内焼とは特徴・器の種類・窯元
- 美濃焼とは特徴・器の種類・窯元
- 無名異焼とは特徴・器の種類・窯元
- 大堀相馬焼とは特徴・器の種類・窯元
- 小鹿田焼とは特徴・器の種類・窯元
- 大谷焼とは特徴・器の種類・窯元
- 薩摩焼とは特徴・器の種類・窯元
- 瀬戸焼とは特徴・器の種類・窯元
- 信楽焼とは特徴・器の種類・窯元
- 小代焼とは特徴・器の種類・窯元
- 高取焼とは特徴・器の種類・窯元
- 丹波焼とは特徴・器の種類・窯元
- 砥部焼とは特徴・器の種類・窯元
- 常滑焼とは特徴・器の種類・窯元
- やちむんとは特徴・器の種類・窯元
- 膳所焼とは特徴・器の種類・窯元
出典
- 1きっと恋する六古窯 ─日本生まれ日本育ちのやきもの産地─文化庁 日本遺産ポータルサイト・2026年9月15日確認
- 2日本六古窯 トップページ日本六古窯(公式サイト)・2026年9月15日確認
- 3小鹿田焼文化庁(文化遺産オンライン)・2026年9月15日確認
- 4ふくトピ!福岡県(福岡県だより 2024年5月号)・2026年9月15日確認
- 5「佐渡無名異焼」が伝統的工芸品に指定されました佐渡市・2026年9月15日確認
- 6伝統的工芸品「大堀相馬焼(おおぼりそうまやき)」浪江町・2026年9月15日確認
- 7広報たかつき 令和8年1月号(No.1454)高槻市・2026年9月15日確認
- 8三川内焼伝統工芸 青山スクエア・2026年9月16日確認
確認できていないこと
- 各産地の窯元の総数は、組合の掲載件数と自治体の記載が一致しない産地があります
記載は編集部が出典を確認して作成しています。誤りに気づいた場合は訂正のお知らせの窓口からお知らせください。