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耐熱陶器と普通の陶器の違い|7項目で比較

情報の確認日 2026年9月15日編集部

耐熱陶器と普通の陶器の違いの核心は、急な加熱・冷却に耐えるよう原料と釉を変えている点です。メーカーは陶土にペタライトなどを混ぜると説明しています[2][3]。ただし「耐熱陶器」でも直火に使えない製品があり[5]、JISは直火用・天火用を熱衝撃の強さで分けています[1]。可否は製品の表示で確かめます。

耐熱陶器と普通の陶器を7項目で比較(JIS S 2400とメーカー公式の耐熱表示・使用条件を2026-09-15に確認。可否は各社製品の案内)
比較軸耐熱陶器普通の陶器例外・注意根拠
原料陶土にペタライト(特殊耐熱原料)などの鉱物を混ぜる。萬古焼の土鍋は陶土にリチウム鉱石を40〜50%含むと産地の組合が説明陶土(精製した粘土)を原料とし、施釉して焼く原料の配合は製品ごとに異なる[2][3][7]
釉薬熱衝撃に耐える耐熱釉薬を使う(マルミツポテリ)記載した資料では耐熱の指定なし高耐熱土鍋の釉薬の組成例を三重県工業研究所が公開している[3][8]
熱衝撃への強さ(規格)JIS S 2400は直火用(高耐熱)350以上、直火用150以上、天火用150以上・120以上と区分JIS S 2400の対象外(直火用又は天火用の耐熱食器の規格)ビタクラフトは自社製品を温度差350℃の耐熱性能と表示[1][6]
直火直火に使える製品がある(マルミツポテリ・ビタクラフト)。HAKKAの耐熱陶器は直火を避けるよう案内マルミツポテリは直火を耐熱陶器のみ対応としているIH対応は別の条件で、IH不可の耐熱陶器もある[4][5][6]
オーブンHAKKA・ビタクラフトは使用可と案内。マルミツポテリは250℃で7分の試験で異常のない品番のみ使用可マルミツポテリは同じ試験を通った品番のみ使用可と表記耐熱陶器かどうかではなく品番ごとの表示で決まる[3][4][5][6]
電子レンジと食洗機ビタクラフトは両方可。HAKKAの耐熱陶器は食洗機を避ける。マルミツポテリは特定の釉薬の品番をレンジ不可とするセラミック・ジャパンは自社の陶器について電子レンジや食洗機を避けるよう案内耐熱かどうかと電子レンジ・食洗機の可否は別に表示される[3][5][6][9]
使い方の注意空焚きをしない、熱い器を急に冷やさない(HAKKA)。高温から急に冷やすと割れることがある(セラミック・ジャパン)急激な温度変化に注意とするメーカーが多いマルミツポテリの一部品番は使用前におかゆで目止めが必要[3][5][9]

このページで確認できること

  • 火にかける器を買うとき、耐熱陶器と普通の陶器のどちらを選ぶか
  • 耐熱陶器が普通の陶器とどう違うか(原料・釉薬・規格)
  • 「耐熱陶器」と書かれていても直火やIHに使えるとは限らない理由
  • 直火・オーブン・電子レンジの可否を確かめる表示の見方

耐熱陶器と普通の陶器の違いは何?原料と釉薬を熱に強くしている

マルミツポテリは、耐熱陶器を陶土にペタライトを混ぜ、熱衝撃に耐える耐熱釉薬を使って焼くと説明しています[3]。普通の陶器は陶土を原料に施釉して焼くものとしています[2]

食器メーカーのマルミツポテリは、陶器を素地の原料が陶土で1100℃〜1200℃程度で焼成し、施釉されているものと説明しています[2]。耐熱陶器は、陶土にペタライト(特殊耐熱原料)などの鉱物を混ぜ込み、同じく1100℃〜1200℃程度で焼成すると書かれています[2]

同社の取り扱い案内は、耐熱陶器の素地を、加熱による負荷が器にかかっても熱膨張による破損が起こらない性質を持つと説明しています[3]。釉薬も熱衝撃に耐える耐熱釉薬を使うとしています[3]。焼成温度は同じ幅でも、原料と釉を変えている点が違いです[2][3]

萬古陶磁器卸商業協同組合は、萬古焼の土鍋は陶土原料に含まれるリチウム鉱石の働きで、直火や空焚きに十二分に耐える商品が開発できると説明しています[7]。この鉱石が陶土中に40〜50%含まれているとし、土鍋の生産高は国内の約80%を占めるとしています[7]

耐熱の強さはどう表示される?JIS S 2400の区分

JIS S 2400は、陶磁器製耐熱食器を直火用(高耐熱)・直火用・天火用(300℃以下)・天火用(200℃以下)に分け、熱衝撃強さの数値を示しています[1]

JIS S 2400:2000「陶磁器製耐熱食器」は、直火用又は天火用に使用する卓上・厨房用の陶磁器製耐熱食器について定めた規格です[1]。直火用(高耐熱)は直火で急激な加熱及び冷却に耐えるもので、熱衝撃強さは350℃以上とされています[1]

同じ規格では、直火用は150℃以上、300℃以下の天火(オーブン)用は150℃以上、200℃以下の天火用は120℃以上です[1]。製品の本体または最小包装単位ごとに、種類と製造業者名またはその略号を表示しなければならないと定めています[1]

メーカーの表示でも数値が使われています。ビタクラフトは、自社の耐熱陶器シリーズを陶器でありながら温度差350℃の耐熱性能を実現したと案内しています[6]。表示された数値が規格のどの区分に当たるかは、製品の表示と説明書で確かめます。

JIS S 2400:2000 陶磁器製耐熱食器の種類(2026-09-15確認)
種類使用区分熱衝撃強さ根拠
直火用(高耐熱)直火で、急激な加熱及び冷却に耐えるもの350℃以上[1]
直火用直火で使用するもの150℃以上[1]
天火用(300℃以下)300℃以下の天火での調理に耐えるもの150℃以上[1]
天火用(200℃以下)200℃以下の天火での調理に耐えるもの120℃以上[1]

耐熱陶器なら直火やIHに使える?メーカーで案内が違う

使えるとは限りません。HAKKAの耐熱陶器は直火を避けるよう案内され[5]、ビタクラフトの耐熱陶器は直火可でもIHは不可とされています[6]

マルミツポテリは、直火は耐熱陶器のみ対応とし、土鍋など直火仕様が可能な器に限るとしています[4]。ビタクラフトは、自社の耐熱陶器は直火で調理が可能だが、IHクッキングヒーターでは使えないと案内しています[6]。マルミツポテリの目止めが必要な品番も、IH調理器には対応していないとされています[3]

HAKKA GROUPは、オーブン・電子レンジ使用可の耐熱陶器について、直火の使用は避けるよう案内しています[5]。同じ「耐熱陶器」という呼び名でも、オーブン向けの製品と直火向けの製品があることがわかります[5][6]

JIS S 2400も、直火用と天火用を別の種類として定めています[1]。耐熱陶器という言葉だけで直火やIHに使えると判断せず、製品に表示された種類や使用区分を確認してください。

オーブン・電子レンジ・食洗機の可否はどう決まる?

耐熱かどうかとは別に、品番ごとに表示されます。同じメーカーでも釉薬によって電子レンジ不可の品番があります[3][4]

マルミツポテリは、250℃のオーブンに7分間入れて保持し、常温で冷ました後に割れがなかったものをオーブン使用可と表記すると説明しています[3]。同社は、金属や鉱物の成分が多い釉薬の品番はオーブンや電子レンジを使わないよう案内しています[3]。電子レンジは、金・銀彩の上絵がある商品と特定の釉薬の商品には使えないとしています[4]

ビタクラフトは自社の耐熱陶器をオーブン・電子レンジ・食洗機で使えると案内し、冷凍には使えないとしています[6]。HAKKA GROUPは、耐熱陶器の食器洗浄機の使用は変色・ひび・破損の原因になることがあるとして避けるよう案内しています[5]

普通の陶器について、セラミック・ジャパンは自社の陶器の電子レンジや食洗機の使用を避けるよう案内しています[9]。マルミツポテリは、食洗機はNGシールの貼られていない商品なら使えるとしています[4]。どちらも会社ごとの案内で、陶器一般の基準ではありません。

耐熱陶器と普通の陶器、どちらを選べばよい?

加熱する器なら耐熱陶器、盛り付け用なら普通の陶器という分け方です。ただし耐熱陶器でも直火に使えない製品があるため[5]、製品表示の種類と使用区分で確かめます[1]

選ぶ順序は、まず何に使うかです。マルミツポテリは、直火は耐熱陶器のみ対応とし、土鍋など直火仕様が可能な器に限るとしています[4]。火にかけない盛り付け用の器であれば、耐熱かどうかは選ぶ条件になりません。セラミック・ジャパンは、自社の陶器について電子レンジや食洗機の使用を避けるよう案内しています[9]

加熱にかかわる器は、呼び名ではなく表示で判断します。JIS S 2400は、陶磁器製耐熱食器を直火用(高耐熱)・直火用・天火用に分け、種類ごとの熱衝撃強さを示しています[1]。同じ規格は、製品の本体または最小包装単位ごとに、種類と製造業者名またはその略号を表示しなければならないと定めています[1]。売り場では、この種類の表示を探します。

「耐熱陶器」と書かれていても、案内は会社や品番で違います。HAKKA GROUPは、オーブン・電子レンジ使用可の耐熱陶器について直火を避けるよう案内しています[5]。ビタクラフトは、自社の耐熱陶器を直火で調理できるとし、IHクッキングヒーターでは使えないとしています[6]。マルミツポテリは、250℃のオーブンに7分間入れる試験を通った品番だけをオーブン使用可と表記しています[3]

買う前に、使う予定の機器を書き出しておくと選びやすくなります。ビタクラフトは自社の耐熱陶器をオーブン・電子レンジ・食洗機で使えるとし、冷凍には使えないとしています[6]。HAKKA GROUPは、耐熱陶器の食器洗浄機の使用は避けるよう案内しています[5]。マルミツポテリの目止めが必要な品番は、使用前におかゆを炊いて目止めをするとされ、IH調理器には対応していません[3]

選ぶときに見る項目と、「耐熱陶器」という表記で決まるかどうか
選ぶときに見る項目「耐熱陶器」の表記で決まるかどこで確かめるか
直火決まらない。直火を避けるよう案内する耐熱陶器がある[5]製品の表示、JISの種類(直火用・天火用)[1]
IHクッキングヒーター決まらない。直火可でもIH不可の耐熱陶器がある[6]製品の表示、販売元の案内
オーブン決まらない。品番ごとの試験結果で表記される[3]品番ごとの表記、説明書
電子レンジ・食洗機決まらない。釉薬や品番によって不可の案内がある[3][4][5]製品の表示、NG表示の有無
使い始めの目止め決まらない。目止めが必要な品番がある[3]作り手の案内、品番ごとの表記
熱衝撃の強さ一部決まる。JIS S 2400は種類ごとに数値を定める[1]本体または最小包装単位の表示[1]

耐熱陶器の使い始めや使い方で注意することは?

メーカーは、空焚きや急冷を避けるよう案内しています[5][9]。目止めが必要かどうかは品番によって違います[3]

HAKKA GROUPは、耐熱陶器の空焚きは割れる恐れがあるため絶対にしないよう案内しています[5]。熱くなった器を急に冷やさないよう注意しています[5]。セラミック・ジャパンも、耐熱陶器は高温から急速に冷やすと割れることがあるため、ゆっくり冷やすよう勧めています[9]

マルミツポテリは、目止めが必要な品番について、使用前におかゆを炊いて目止めをするよう案内しています[3]。一方、萬古陶磁器卸商業協同組合は、萬古焼の土鍋は空焚きや直火に対しても高度の耐久性を発揮すると説明しています[7]。空焚きの扱いは製品によって異なるため、手元の製品の説明書を優先してください。

三重県工業研究所は、高耐熱土鍋(リチア質素地)用の釉薬について、ペタライト70〜75%などの組成で重金属類の溶出を減らした技術を公開しています[8]。同資料は、萬古焼の土鍋は原料に鉛とカドミウムを用いていないとしています[8]。食器の鉛・カドミウムの規格は、別のページで扱っています。

よくある質問

耐熱陶器はすべて直火で使えますか
使えるとは限りません。HAKKA GROUPはオーブン・電子レンジ使用可の耐熱陶器について直火を避けるよう案内しています[5]。JIS S 2400も直火用と天火用を分けています[1]
ペタライトとは何ですか
マルミツポテリは、耐熱陶器の陶土に混ぜ込む特殊耐熱原料と説明し、熱膨張による破損が起こらない性質を持たせるとしています[2][3]
普通の陶器をオーブンに入れてもよいですか
陶器かどうかでは決まりません。マルミツポテリは250℃で7分の試験を通った品番だけをオーブン使用可と表記しています[3]。製品の表示を確認してください。

出典

  1. 1
    陶磁器製耐熱食器JIS S 2400:2000(kikakurui.com掲載の規格本文)・2026年9月15日確認
  2. 2
    陶磁器の素材や土について株式会社マルミツポテリ・2026年9月15日確認
  3. 3
    お取り扱いについて株式会社マルミツポテリ・2026年9月15日確認
  4. 4
    マテリアルアイコンについて株式会社マルミツポテリ・2026年9月15日確認
  5. 5
    耐熱陶器のお取り扱いについてHAKKA GROUP・2026年9月15日確認
  6. 6
    ビタクラフトの耐熱陶器「CCL」ビタクラフト・ジャパン・2026年9月15日確認
  7. 7
    四日市萬古焼の紹介萬古陶磁器卸商業協同組合・2026年9月15日確認
  8. 8
    安全・安心な土鍋用釉薬三重県工業研究所(中部イノベーション創出共同体 産業技術の芽)・2026年9月15日確認
  9. 9
    土の種類について株式会社セラミック・ジャパン・2026年9月15日確認

確認できていないこと

  • 「耐熱陶器」の直火の扱いが会社で異なる(マルミツポテリ・ビタクラフト:直火可/HAKKA:直火は避ける)。呼び名に共通の基準はないと判断し、製品表示で確認と書いた。
  • 空焚きの扱いが異なる(HAKKA:絶対にしない/萬古陶磁器卸商業協同組合:萬古焼の土鍋は空焚きにも高度の耐久性)。対象製品が異なるため矛盾とは断定しない。
  • JIS S 2400の表2(試験温度差)の数値は取得できなかった。熱衝撃強さの単位はページの表記から℃として記載した。
  • JIS S 2400:2000が現行版かどうか(改正・廃止の有無)は確認できていない。
  • ペタライトの配合割合(素地中)を示したメーカー公式の数値は確認できなかった。萬古陶磁器卸商業協同組合の40〜50%は「リチウム鉱石」の含有として書かれている。
  • HAKKAの耐熱陶器ページは「直火は避ける」としつつ、使い始めに煮沸する手順も案内していると要約でしか読めなかった。加熱方法が読み取れなかったため本文に目止め手順を書いていない。

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