飲食店の器を特注で作る道は、既製品をそろえる・既製品の色や寸法を変える・形から作る、の3つに分かれます。形から作る完全特注は有田焼の商社で納期4〜6か月程度、最小50個から、型代25万円からが目安です[2]。使う日まで2か月を切っているなら既製品か名入れに絞ります[2][8]。作家ものの別注は3か月から1年かかる場合もあります[6]。
目次(7項目)
公式の案内MARUBUN(有田焼)ほか3件
使う日まで何か月あるかで、選べる道が決まる
2か月未満なら既製品か名入れ、2〜4か月なら既製品の色替え、4か月以上あれば形からの完全特注まで選べます[1][2][5]。
開業準備の案内では、食器やカトラリーの購入は開業の2か月前に置かれています[8]。この時点から形を起こす特注を始めると、量産窯の4〜6か月程度という納期に届きません[2]。開業までの残り月数が、頼み方を決める最初の条件です。
既製品の在庫品は数日から2週間程度で届き、既製品にロゴを入れるだけなら最短14日程度からです[1][2]。残りが2か月を切った店は、この2つから選ぶと開業日に間に合います。
既製品の形はそのままで色や絵柄を変えるセミオーダーは、商社で60日程度から、窯元の直販で発注日から約3か月です[2][5]。使う日まで2か月以上あれば候補に入ります。
作家や工房への別注は、内容により1〜4か月、作家在庫の有無によっては3か月から1年が目安です[1][6]。作家ものは制作数に限りがあり、数量によって時間が延びます[1]。開業前に作家ものをそろえるなら、物件契約のころには相談を始めておく計算になります。
既製品をそろえるのはどんな店に向くか
開業まで2か月未満の店、メニューを頻繁に変える店、割れたら同じ器をすぐ補充したい店に向きます[1][2]。
既製品の強みは補充のしやすさです。在庫のある器は数日から2週間程度で届くので、営業中に割れても同じ器を足せます[1]。名入れをしたい場合も、既製品にロゴを入れる方法なら30個から、最短14日程度で用意できます[2]。美濃焼の量産工場に名入れを頼む場合は、試作を含めて1〜2か月かかり、高温で焼き付けた名入れは食洗機や電子レンジで使えます[9]。
既製品でも、料理写真と店内の写真を渡して器を選んでもらう仲介店があります[1]。1点から100点単位まで数量の下限を設けていない店もあるので、席数の少ない店でも頼めます[1]。
弱みは、同じ器を他店も使えることと、料理の寸法に合わせた調整ができないことです。盛り付けに合う既製品が見つからないときに、次の色替えや完全特注を検討します。
既製品の色・寸法を変える(セミオーダー)でできること・できないこと
既存の型を使うので、色(釉薬)とロゴ・絵柄は変えられますが、寸法を変えると型が必要になり、完全特注に近づきます[1][3]。
有田焼の商社のセミオーダーは、既存の型から形を選び、釉薬の色を変えたり、ロゴや絵柄を転写や絵付けで入れたりする方法です[3]。既存の型を使うため、型を起こす初期費用を抑えられます[3]。商社の案内では最小ロット30個から、納期60日程度からです[2]。
寸法の変更はセミオーダーの範囲に入りません。型が必要になれば型代が別途かかります[1]。「既製品の丼を一回り大きく」という依頼は、型を起こす完全特注と同じ扱いになると考えて準備します。
窯元の直販では、参考価格がマグカップ4,400円前後、丼3,300〜5,500円、制作期間は発注日から約3か月と案内されています[5]。仕切りを付けた丼では多少のゆがみが出るとも書かれています[5]。手仕事の窯では、既製品と同じ精度を期待しないほうが現実に合います。
形から作る完全特注は、いつ・どんな店に向くか
使う日まで4か月以上あり、同じ器を50個以上使い、型代20〜30万円を器の予算とは別に出せる店に向きます[2][3]。
量産窯の完全特注は、形状から設計するため型が必要です。有田焼の商社では最小ロット50個から、納期4〜6か月程度、型代は参考で25万円からです[2]。別の商社も型を一から起こす初期費用をおよそ20〜30万円としています[3]。この型代は器の単価とは別にかかります。
工程は、相談・デザインと製法の検討・試作と見積り・製造と納品の順です[4]。試作のあとに正式な見積りが出て、入金後に制作が始まる商社もあります[2]。試作のやり直しが入れば、そのぶん使う日が後ろにずれます。
料理人向けに形から器をあつらえる工房では、サンプル制作に約1か月、本制作に約2か月かかり、数量や受注状況で変動します[7]。サンプルを作ってから本制作に入ると、相談から納品まで3か月以上を見込む計算です。
完全特注が向かない店
開業まで2か月を切っている店には向きません。食器を買う時期が開業2か月前なのに対し、形からの特注は量産窯で4〜6か月程度かかるためです[2][8]。間に合わない器を待つより、既製品で開業し、営業しながら特注を進めるほうが確実です。
同じ器を使う数が少ない店も向きません。50個の最小ロットに届かない店や、型代20〜30万円を50個で割ると1個あたり4,000〜6,000円の上乗せになる店では、作家の一点ものや既製品の色替えのほうが予算に合います[2][3]。
メニューを季節ごとに入れ替える店も、特定の料理に合わせた形は使い回しが利きません。型代をかけるなら、看板料理のように長く出し続ける一皿に絞ります。
相談前に用意するもの(準備表)
料理写真・希望の寸法・数量・使う日・予算の5つを分かる範囲でそろえると、相談先が頼み方と見積りを出せます[1][4]。
量産窯の直販は、店舗名・用途・希望の形やサイズ・数量・予算・希望納期・納品先を分かる範囲で伝え、参考写真やスケッチがあれば添えるよう案内しています[4]。仲介店は用途・数量・予算から作家と器を選んで提案し、予算や時期が未定でも相談を受けています[1]。
とくに効くのは料理写真です。既製品を選ぶ場合でも、料理写真と店内の写真が器の選定に使われます[1]。盛り付けた状態の写真が1枚あれば、寸法の相談が具体的になります。
割れたときの補充と、長く使うための備え
既製品は在庫から補充でき、作家ものは制作数に限りがあるため、最初の注文に予備を足すか、補充の約束を先に決めておきます[1]。
営業中の破損は避けられません。既製品なら在庫のある器を数日から2週間程度で補充できます[1]。作家ものや型を起こした器は制作数に限りがあり、数量によっては時間がかかるため、継続的な補充を相談できる先を選びます[1]。
欠けた器を金継ぎで直すアフターケアを掲げる工房もあります[7]。欠けた器を客席で使えるかどうかは、ひびや欠けのある食器を使い続けてよいかの判断と金継ぎの頼み方で確かめられます。
作家ものを候補に入れるなら、地域から陶芸作家を探すで制作拠点と作風を見てから相談先を決めると、やり取りが短くなります。頼み方を決めかねている段階の相談は、器の相談(お店・宿・会社の方へ)から受け付けています。
よくある質問
出典
- 1法人・業務用のご案内R_degree・2026年10月16日確認
- 2OEM・ノベルティMARUBUN(有田焼)・2026年10月16日確認
- 3OEM山忠(有田焼)・2026年10月16日確認
- 4OEM・オリジナル食器製作POTPURRI・2026年10月16日確認
- 5オリジナル食器の製作窯元よこやま・2026年10月16日確認
- 6飲食店・宿泊施設への器のご提案百福・2026年10月16日確認
- 7素 siro|料理のプロフェッショナルのためのフルオーダー素 siro(TOKINOHA)・2026年10月16日確認
- 8飲食店開業の準備スケジュールテンポス フードメディア・2026年10月16日確認
- 9名入れ食器(オリジナル皿・丼)お店がどっとこむ・2026年10月16日確認
確認できていないこと
- MARUBUNのフルオーダーの型代は、本文で25万円〜、FAQで20〜30万円程度と幅がある。本文では25万円〜を採用し、別社の20〜30万円と並べた
- 商社の価格(ラーメン鉢3,500円〜等)と窯元よこやまの参考価格は税区分の記載がなく、本文では単価を比較していない
- 作家・工房の最低数量と料金は、公式ページに具体値がなく「作り手による」とした
- TOKINOHAのオーダーメイドギャラリーは料理人限定だが、納期・数量の記載はなく本文に使っていない
- お店がどっとこむの名入れ(S9)は販促用途が中心で小ロットの下限が不明なため、表には入れていない
記載は編集部が出典を確認して作成しています。誤りに気づいた場合は訂正のお知らせの窓口からお知らせください。