和食器の種類とは|呼び名の意味・深さと形の見分け方
情報の確認日 2026年9月15日編集部
和食器の種類は、皿・鉢・碗・丼のように形で呼ぶ名前と、向付・湯呑みのように使い方から来た名前が混ざっています[1][8]。辞典では、鉢は皿より深く碗より浅い器とされます[2]。深さの境目の数値は確認できず、ここでは製品の寸法を例に並べます。
| 種類 | 形・用途の説明 | 寸法の実例 | 写真だけでは判断できない点 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 皿 | 食物を盛る、平たく浅い器 | 赤丸(四寸皿)直径135×高さ28mm | 鉢との境目になる深さは、寸法表示で確かめます | [1][22] |
| 豆皿・手塩皿 | 小皿のうち特に小さなもの。手塩皿は香の物などを盛る小さく浅い皿 | お手塩 直径54×高さ18mm | 写真では縮尺がわからず、直径は表示で確かめます | [6][23][15] |
| 鉢 | 皿より深く、碗より浅い、上部の開いた器 | 小鉢 六角高台 直径99×高さ70mm | 皿や碗との境目の数値は、辞典に示されていません | [2][18] |
| 丼 | 厚手で深い陶製の大きな鉢 | 切立丼 直径147×高さ75mm・565ml | 容量は写真ではわかりません | [5][19] |
| 茶碗(飯茶碗) | 茶を入れ、また飯を盛る陶磁製の碗。本来は喫茶用とする辞典もあります | ご飯茶碗 大 直径130×高さ70mm | 飯碗か茶の湯の茶碗かは、販売の区分や説明で確かめます | [3][16] |
| 湯呑み | 湯呑み茶碗の略 | 切立湯呑 大 直径81×高さ91mm・350ml | 容量は写真ではわかりません | [4][17] |
| 猪口 | 上が開き下のすぼまった小形の杯。本膳料理の小さく深い器の名でもあります | 染付 蘭文 猪口 口径7.2cm(江戸時代) | 酒器か料理の器かは、形だけでは決まりません | [9][21] |
| 向付 | 献立の一品で、客の向こう側に置く料理の名。小皿・小鉢・猪口などが器に使われました | 白磁 桔梗花形向付 高6.6cm(江戸時代) | 向付として作られた器かは、作品の記録で確かめます | [8][14] |
| 片口 | 口縁の一方に注ぎ口をつくった椀・杯・鉢形の容器 | 片口鉢 直径140×高さ90mm・745ml | 注ぎやすさは写真ではわかりません | [10][20] |
| 徳利 | 口が細く、首がすぼまった酒の容器 | 寸法の実例は今回未確認 | 容量は写真ではわかりません | [11] |
| 急須 | 取っ手と注ぎ口のあるふたつきの器。取っ手のないものは宝瓶と呼ぶとする辞典もあります | 寸法の実例は今回未確認 | 茶こしの形は外から写した写真ではわからないことがあります | [12] |
| 土瓶 | 注ぎ口とつるのついた陶製の容器 | 寸法の実例は今回未確認 | 直火に使えるかは、製品の表示で確かめます | [13] |
このページで確認できること
- 和食器の主な種類の名前と、辞典で確認できた意味
- 皿・鉢・碗・丼の深さの違いを、製品の直径と高さで比べた例
- 向付・猪口・片口・急須・土瓶など、形や使い方で呼ぶ名前の見分け方
和食器の種類の名前は、何を基準に付けられていますか
形で呼ぶ名前と、使い方で呼ぶ名前があります。鉢や皿は形の説明で、向付は客の向こう側に置く料理の名から来た呼び名です[2][8]。
コトバンク掲載の辞典は、皿を食物を盛る浅くて平たい容器、鉢を皿より深く碗より浅い上部の開いた食器と説明しています[1][2]。どちらも、器の形を基準にした説明です。丼も、厚手で深い陶製の大きな鉢と、形で説明されています[5]。
これに対し、日本大百科全書(ニッポニカ)は、向付を供応料理の献立中の一品の名としています[8]。客の向こう側に置くところからこの名がある、と説明しています[8]。湯呑みは湯呑み茶碗の略とされ、飲むものに由来する名前です[4]。
戸栗美術館は、伊万里焼の猪口や小鉢、小皿の多くが向付として、また銘々皿として使われたと考えられると解説しています[14]。一つの器が、小皿という形の名前と、向付という使い方の名前の両方で呼ばれることがあるとわかります。
皿・鉢・碗・丼は、深さでどう違いますか
辞典では、皿は浅く平たい器、鉢は皿より深く碗より浅い器とされます[1][2]。丼は深い大きな鉢です[5]。境目の数値は辞典に示されていません。
デジタル大辞泉は、鉢を皿より深く碗より浅い上部の開いた食器としています[2]。精選版 日本国語大辞典も、皿よりは深く、碗よりは浅く、上部の広く開いた食器と説明しています[2]。改訂新版 世界大百科事典も皿と椀の間の深さとしており、何cmから鉢になるかという数値はありませんでした[2]。
東屋の製品で比べると、赤丸(四寸皿)は直径135×高さ28mm、小鉢 六角高台は直径99×高さ70mmです[22][18]。切立丼は直径147×高さ75mmで容量565ml、ご飯茶碗 大は直径130×高さ70mmと表示されています[19][16]。直径に対する高さの割合で比べると、皿とそれ以外の器の違いは数値でもつかみやすいと考えられます。
| 商品名 | 大きさ | 種類 | 容量 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 赤丸 光春窯(長崎県波佐見町) | 直径135mm×高さ28mm | 皿(四寸皿) | 表示なし | [22] |
| お手塩 耕房窯(三重県伊賀市) | 直径54mm×高さ18mm | 手塩皿 | 表示なし | [15] |
| 小鉢 六角高台 耕房窯 | 直径99mm×高さ70mm | 鉢 | 未確認 | [18] |
| ご飯茶碗 大 耕房窯 | 直径130mm×高さ70mm | 飯茶碗 | 未確認 | [16] |
| 切立丼 耕房窯(三重県伊賀市) | 直径147mm×高さ75mm | 丼 | 565ml | [19] |
| 片口鉢 耕房窯(三重県伊賀市) | 直径140mm×高さ90mm | 片口 | 745ml | [20] |
| 切立湯呑 大 耕房窯 | 直径81mm×高さ91mm | 湯呑み | 350ml | [17] |
皿の大きさの呼び方(大皿・中皿・小皿・豆皿)
日本大百科全書(ニッポニカ)の「皿」の項には、有田焼に大皿(径1尺)、中皿(5〜7寸)、小皿(3寸)という大きさの基準があるとの記述があります[1]。同書は、これが全国的な皿の大きさの基準になったとしています[1]。一方で、豆皿は直径2寸(約6cm)前後が多いとする辞典や、小皿は直径10cm前後が多いとする辞典もあります[6][7]。
赤丸は「四寸皿」と紹介され、表示の直径は135mmです[22]。豆皿の2寸を約6cmとする辞典の換算では4寸は約12cmとなり、呼び名の寸と実寸は一致しない場合があると考えられます。皿の大きさは、寸の呼び名より直径の表示で確かめるのが確実です。
茶碗・湯呑み・猪口の名前は、何を表していますか
茶碗は本来は喫茶用の碗とする辞典があり、飯を盛る器もそう呼びます[3]。湯呑みは湯呑み茶碗の略です[4]。猪口は酒器と料理の器の両方の名前です[9]。
改訂新版 世界大百科事典は、茶碗を陶磁製の碗の総称として使っているが、本来は喫茶用の碗だと説明しています[3]。日本大百科全書(ニッポニカ)は、近世以降は「飯茶碗」のように喫茶以外の器もそう呼ぶ場合があるとしています[3]。百科事典マイペディアは、抹茶茶碗、煎茶・番茶茶碗、飯茶碗などを挙げています[3]。
湯呑みは、デジタル大辞泉などで湯呑み茶碗の略とされています[4]。猪口は、上が開き下のすぼまった小形の杯のほか、本膳料理につく小さくて深い器の名前でもあります[9]。戸栗美術館は、猪口には本来、菜や調味料を盛り、近現代には酒器として使う例も見られると解説しています[21]。
向付や銘々皿は、器の形の名前ですか
向付は、献立の一品と、それを客の向こう側に置くことから来た名前です[8]。美術館は、伊万里の小皿や猪口の多くが向付や銘々皿に使われたと考えています[14]。
日本大百科全書(ニッポニカ)は、向付を初めか二番目に出す料理で、刺身または酢の物を用いたと説明しています[8]。懐石では膾を向付といい、本膳料理で本膳の向こう側に置く頭付きの魚の焼き物は向詰というとも書かれています[8]。
戸栗美術館の2013年の展覧会には、「白磁 桔梗花形向付」(伊万里、17世紀後半、高6.6cm)が出品されました[14]。同展の解説は、猪口や小鉢、小皿の多くが向付として、また銘々皿として使われたと考えられるとしています[14]。器の名前に向付とあっても、形は小皿・小鉢・猪口などさまざまだと読み取れます。
片口・徳利・急須・土瓶は、どこで見分けますか
注ぎ口と持ち手の形で見分けます。辞典では、片口は口の一方に注ぎ口、徳利は口が細い容器、急須は取っ手、土瓶はつるが付く器と説明されます[10][11][12][13]。
改訂新版 世界大百科事典は、片口を口縁部の一方に鳥のくちばし状の注ぎ口をつくり出した椀・杯・鉢形の容器としています[10]。徳利については、瓶形で頸がすぼまり、口も比較的小さい、酒を入れて杯に注ぐ容器と説明しています[11]。口の広さが、片口と徳利を見分ける手がかりになります。
日本大百科全書(ニッポニカ)は、急須を注ぎ口と取っ手をつけた陶磁製の器とし、取っ手のないものは宝瓶、鉉のかかったものは土瓶と呼んで区別するとしています[12]。改訂新版 世界大百科事典は、手と注ぎ口が直角についているものを急須の特徴に挙げています[12]。土瓶は、注ぎ口とつるのついた陶製の容器と説明されています[13]。
戸栗美術館は、江戸時代の徳利には運搬・贈答・保存の容器と、注酒器・温酒器があったと解説しています[21]。酒の入った徳利から杯へは直接注がず、銚子などの注酒器に移していたとも説明しています[21]。今の食卓での使い方と違う場合があるため、古い器の用途は所蔵館の解説で確かめます。
器の種類から、手入れや電子レンジの可否はわかりますか
種類の名前だけではわかりません。同じ耕房窯の器でも商品ごとに案内が書かれており、可否や手入れは製品の表示で確かめます[17][18]。
東屋の切立湯呑(耕房窯)の商品ページは、使い始めに米のとぎ汁で約10分煮ることを案内しています[17]。同じ耕房窯の小鉢 六角高台にも、同様の案内があります[18]。これは各製品についての案内で、湯呑みや鉢という種類に共通する決まりではありません。電子レンジや食洗機の可否も、種類名ではなく製品の表示と機器の説明書で確かめます。
よくある質問
出典
- 1皿コトバンク(デジタル大辞泉・日本大百科全書(ニッポニカ)ほか)・2026年9月15日確認
- 2鉢コトバンク(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典・改訂新版 世界大百科事典ほか)・2026年9月15日確認
- 3茶碗コトバンク(改訂新版 世界大百科事典・ニッポニカ・マイペディアほか)・2026年9月15日確認
- 4湯呑みコトバンク(デジタル大辞泉ほか)・2026年9月15日確認
- 5丼コトバンク(デジタル大辞泉ほか)・2026年9月15日確認
- 6豆皿コトバンク(デジタル大辞泉・食器・調理器具がわかる辞典)・2026年9月15日確認
- 7小皿コトバンク(食器・調理器具がわかる辞典ほか)・2026年9月15日確認
- 8向付コトバンク(日本大百科全書(ニッポニカ))・2026年9月15日確認
- 9猪口コトバンク(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典ほか)・2026年9月15日確認
- 10片口コトバンク(改訂新版 世界大百科事典ほか)・2026年9月15日確認
- 11徳利コトバンク(改訂新版 世界大百科事典ほか)・2026年9月15日確認
- 12急須コトバンク(日本大百科全書(ニッポニカ)・改訂新版 世界大百科事典ほか)・2026年9月15日確認
- 13土瓶コトバンク(食器・調理器具がわかる辞典ほか)・2026年9月15日確認
- 14小さな伊万里焼展‐小皿・向付・猪口‐戸栗美術館・2026年9月15日確認
- 15お手塩東屋・2026年9月15日確認
- 16ご飯茶碗 大東屋・2026年9月15日確認
- 17切立湯呑東屋・2026年9月15日確認
- 18小鉢 六角高台東屋・2026年9月15日確認
- 19切立丼東屋・2026年9月15日確認
- 20片口鉢東屋・2026年9月15日確認
- 21酒がおいしい古伊万里展戸栗美術館・2026年9月15日確認
- 22赤丸東屋・2026年9月15日確認
- 23手塩皿コトバンク(精選版 日本国語大辞典ほか)・2026年9月15日確認
確認できていないこと
- 皿・鉢・碗・丼を深さの数値で分ける基準は、今回確認した辞典には示されていなかった。
- 赤丸(S22)は「四寸皿」と紹介されているが直径は135mmで、寸の呼び名と実寸の関係は商品ページに説明がない。
- コトバンクの「碗」の単独ページは開けず、碗と椀の使い分けは確認できなかった。
- 徳利・急須・土瓶・銘々皿・蓋物・土鍋などの製品寸法の実例は、今回取得していない。
- 猪口の本来の用途は、戸栗美術館の展覧会解説(本来は菜や調味料を盛る)と辞典(酒器の意味を先に載せる)で力点が異なる。お猪口のページで両方を示している。
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